石窯パンは焼きあがったら布に包んで

8月のヴァトス村のパン おばあちゃんのパンが焼き上がりましたよ。 みんなでひとつづつ、燃える石窯にパンを入れて、蓋をして。 その間に、村の教会、村の宿泊所(きれいなコテージがあるんです)、村の路地、 村の泉(ずっと以前から使われてきた大切な泉)、を、村の人たちが案内してくれます。 ぐるりと一周して帰ってきたら、パンが焼けていました。 「ほんとうは、やきあがったらしばらく布巾をかけておくの。パンがしっとりとしてくるから。 今日のはそのまま渡してしまうから、パンが固くなるかもしれないわ・・」とエレステリアおばあちゃん。 なるほど〜〜。石窯で焼くパンは、固くなりすぎないように、紙袋や布で覆うのね。 日本人は「焼きたて文化」だから、どうしても焼きたてを食べたがるけれど、 ヨーロッパの人達はあまり焼きたてで湯気がでてる状態のをたべない。 味がこなれて、発酵による炭酸ガスが抜けきったら、食べられる。 スペインのセア村のローザさんも言ってたし。 「すぐは食べられないわよ〜、30分ぐらいは置いてね」って。
そう、天然酵母のパンは特に、旨味が底から湧き上がってくるの。しばらく置いておくと。
あっちあちだと味がそこまで掴めない。ほら、石焼き芋だってそうでしょ。ちょい置いといた方が甘さが際立つ。 でもね、日本は、焼きたてにこだわるから、このあいだ行った恵比寿のフレンチみたいに、 石焼きビビンバ用の器で、目の前でオーブンから焼きたてをサービスしてくれたとき、 なんといって喜んでいいかどうか、ちょいっと困ったりした。 オリジナルパン食文化ですよね。日本は。
焼き芋も、あっちあち・・って手で持てない状態のも、食べたいしね。
で、クレタの焼きたてパンはあら熱がとれるまで置いておいて、 わたしたちは、次に、ラキの蒸留の工房と、ランチを食べにいきましたよ。 しっかし、このパンはやはり固かったので、蒸して食べました。日本に帰ってから。 素朴な粉の味が深くて、オリーブオイルにぴったり。 ありがたく楽しいクレタ島の村のパンのワークショップでした。