ワルン・ロティ日記4

日々感じたこと、パンとワインに関する最新の話題はたまたグルメ情報など
自由にたのしくつづる日記帳。
業界騒然!さて、何が飛び出すやら。

2018.09.18

クレタ島のキサモスのパン屋さんプラタナスは超ローカルで〜

きた〜 キサモスのパン屋さんはど迫力でした。   クレタ島では、やたらと固いパンが名物。ほんとうに固いんです。なま半かじゃありません。 ドイツパンなんて、クレタのパンに比べたら比じゃありません。   なにしろ、ラスクにして売ってるんです。 あ〜〜、驚いた。ほんとうに、一度焼いた柔らかいパンをもう一度焼き直して、バリバリにして売っていたり。   クレタの名物はラスクパンだとは聞いていたけれど、ほんとうかどうか知りたくて、 いかにも地元のパン屋「プラタナス  Platanos 」を訪問しました。   オリーブのヴェヴェス村から、車で1時間もかからないところ。 出迎えてくださったのは、ニコスさん(左)、とパノさん(右) パノさんのお父さんが昔は山の奥の方で、パン屋をやっていて、パノさんがこのキサモスの里に開店して継いだそう。 パノさんのお姉さんとニコスさんが結婚して、2人でやってるんだとか。 「似てるよ〜ほんとうの兄弟でないの?」って日本人のわたしたち。   でもガイドのコリーヌさんに言わせると「ギリシャ人にとって日本人はみんな似てる。だからギリシャ人からニコスさんとパノさんはゼンゼン似てないでしょ〜。 ほら、鼻もちがうし・・」と。 確かに。   で、ここのパン屋さんは、小麦もオリーブも、オリーブオイルも、ワインも、すべて自分たちの畑からとれたものをつかってるんだそう。   ラスクは、もともとクレタ島の伝統生活に根ざしたもので、 羊飼いの生活をする人達が、山のほうに羊を放牧して、何ヶ月も山で暮らしていたときに持っていっても 悪くならない、日持ちがする、という重宝なパンだったのだそう。   クレタ島は意外にも高い山々が多く、渓谷がきびしく、良質な小麦よりも大麦が穫れたのだそう。 だから、黒い丸い大麦でつくったラスクをつかったサラダが、名物の「クレタンサラダ」なの。   道中、なんどもクレタンサラダにはであったけれど、なんとも歯がカナリ丈夫でないと、太刀打ちできないんです。   ギリシャ人はヨーグルトとチーズをタップリ食べるから(ギリシャはチーズの1人当たりの消費量が世界トップ)、歯が丈夫なのかなあ・・。   ちなみに「プラタナス」というおしゃれな店名はパノさんのお父さんのお店があった村が「プラタナス村」だったから プラタナスとは桑の木の意味。   お店には、一面にラスクの大袋、そして焼きたてのバケット風、焼きたての柔らかいクミン入りのパン、 そして大量のクッキー、ちょっとだけパイのコーナーがあって、ほうれん草のパイと、チーズのパイ。   パンに砂糖は入らない。ラスクも材料は小麦粉、ワイン、オリーブオイル、オリーブや胡麻、塩、水、だけ。   「砂糖はね、特別な時につかうんだ。結婚式のためのパンは砂糖をいれるよ」と。   ほ〜〜んと、乾パンを売るパンだとは聞いていたけれど、驚きました。 ローカルは魅力ですね。   ちなみに、それでも柔らかめの胡麻つきラスクは、ワルン・ロティのお客様にお裾分けしましたね。 ハードのワイン入りのラスク(お店で1番売れるのだとか)は、10月のワインレッスンの時にお出ししましょうね〜。 固かったら、ワインにつけつつ・・召し上がれ〜!