ワルン・ロティ日記4

日々感じたこと、パンとワインに関する最新の話題はたまたグルメ情報など
自由にたのしくつづる日記帳。
業界騒然!さて、何が飛び出すやら。

2017.12.24

スペイン・ガリシア地方の伝統パンの実演


マヌエル先生(マウエルとも聞こえるけど、Mnuel  先生)が教えてくれたのは、
Pan de sea (パン・デ・セア奥)、Rosca(ロスカ ドーナツ型)、 Bolla (ボジャ コッペパン型)、 Brona(ブロナ 黒いの)、
これはみんなガリシア地方の伝統のパン、
だけど、大事なのは、みんな、粉と酵母と塩でつくられたってこと。

砂糖、油脂、卵、乳製品を含まない。ご飯にたとえれば白いご飯なのです。
だから、主食になりえる。
日本のいわゆる「食パン」は、一般的なレシピには、乳、油脂、砂糖を入れる。だからなんとなく不思議に主食の座をしっかり得られない。
糖分が欲しい朝ご飯にはいいけど、ワインとはキビシイから夕飯にノリノリって訳にはいかない。
オリーブオイルだって、ちょっと気持ち悪かったりする。あのあま〜い食パンは朝ご飯用なのだと、しみじみ思う。
ジャムをたっぷり添えて「おめざ」の役割、頭とカラダを目覚めさせたいですものね。

って脱線しましたが、
パン・ド・セアに関してはIGTで認定をされているから、名乗るにはそれなりの条件が必要で、
先生に言わせると「だから、わたしがここでパン・デ・セアの方法で同じ材料でつくったとしても、パン・デ・セアを名乗ると罰せられて
罰金を要求されるのです」ですって。
セア村でつくられていないと、「パン・デ・セア」と名乗っちゃいけないんですって。

で、パン・デ・セアの特徴は、小麦粉の25%はガリシア地方の小麦を使うこと。あとは水と酵母と塩。
水分はたっぷり。
(マヌエルさんのおじいさんは計量はしなかったけど、マヌエルさんは計るそう。
水分をきちっと計量しても、その日の状態で変わるから、外国のプロは計らなかったりも。
フランスとか水道の蛇口からジャ〜〜〜って入れても、適当な水分を目で計ってたり)
パン・デ・セアの小麦の75%は外国産でも良いのだけど、ここで地元の粉と外国産の粉の
違いがよくわかるそう。
地元の粉はタンパク質が少なくて、外国産(フランスとか)はタンパクが高いので、膨らみ易い、とマヌエルさん。
これは・・なんと日本の小麦粉と外麦と同じではないか・・と、オオワダはノリノリ。

「そしてガリシア地方の小麦には香りがしっかりとあります。水を吸うので捏ねるのに時間がかかります。
捏ねれば捏ねるほど生地がしっかりとします。おばあちゃんは30キロの小麦粉を木桶で一度に手で捏ねていて
薪をつかって火力をあげて焼いていました。天然酵母なので発酵にも8~10時間はかかります。」
「天然酵母をつくるには、有機栽培のリンゴとかフルーツをつかってつくらないといけません。おばあちゃんは25年前の酵母をつないでつくっています
塩分は2%強。酸味があるのでしっかりと塩味をつけます・・・」

そして成形は楕円にまるめた生地に大きくナイフをいれてまっぷたつに。焼き上がると二つのお山ができるカタチ。